ファクタリング会社の選び方〜5社と取引した私が教える見極めポイント〜

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「従業員の給料が、払えないかもしれない…」

銀行から融資を断られた帰り道、車の中で一人、そんな恐怖に襲われたことがあります。
はじめまして、埼玉県で小さな印刷会社を経営している田中健一と申します。

大口取引先の支払いサイト変更がきっかけで、私の会社は一気に資金繰り悪化の淵に立たされました。
藁にもすがる思いでたどり着いたのが「ファクタリング」です。

正直に言うと、最初は「手数料15%」という数字に愕然としました。
しかし、背に腹は代えられず利用してみると、翌日には現金が振り込まれ、心の底から安堵したことを今でも鮮明に覚えています。

それから5年。
コロナ禍の厳しい時期も含め、私はこれまで合計5社のファクタリング会社と取引をしてきました。
良い会社もあれば、「もう二度と使いたくない」と思った会社も正直あります。

この記事を書こうと思ったのは、過去の私と同じように、資金繰りに悩み、孤独と不安の中で情報を探している経営者仲間が、きっといるはずだと感じたからです。

これは、どこかの教科書に書いてあるような一般論ではありません。
私が身銭を切って学んだ、リアルな失敗と成功に基づく「ファクタリング会社の見極めポイント」です。
この記事が、あなたの会社を救う一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

ファクタリングとは?基本と誤解

ファクタリングを検討し始めたばかりの方のために、まずは基本的な仕組みと、私が抱いていたような誤解についてお話ししますね。

ファクタリングの仕組みと種類

ファクタリングとは、すごく簡単に言うと「入金待ちの請求書(売掛金)を専門の会社に買い取ってもらい、早期に現金化する」サービスです。
融資とは違い、借金ではないのが大きな特徴です。

そして、契約には主に2つの種類があります。
私も最初はよく分かっていませんでしたが、この違いは非常に重要なので、ぜひ覚えてください。

契約の種類登場人物特徴
2社間ファクタリングあなた、ファクタリング会社・売掛先に知られずに資金調達できる
・入金スピードが速い(最短即日も)
・手数料は高め(相場:8%~18%)
3社間ファクタリングあなた、ファクタリング会社、売掛先・売掛先の承諾が必要
・入金まで時間がかかる
・手数料は安い(相場:2%~9%)

私の場合は、取引先に資金繰りの状況を知られたくなかったので、一貫して「2社間ファクタリング」を利用しています。

よくある誤解とリスク

「ファクタリングって、なんだか怪しい…」
「法外な手数料を取られるんじゃないか?」

私も最初はそう思っていました。
実際に、中には悪質な業者がいるのも事実です。

一番注意すべきなのは「償還請求権(しょうかんせいきゅうけん)」の有無です。
これは、もし売掛先が倒産して支払い不能になった場合、あなたがファクタリング会社にお金を返す義務があるかないか、という契約です。

日本の真っ当なファクタリングは、基本的に「償還請求権なし」です。
つまり、万が一売掛先が倒産しても、あなたが返済する必要はありません。
もし「償還請求権あり」の契約を提示されたら、それはファクタリングを装った貸付の可能性が高いので、絶対に契約しないでください。

ファクタリングは「悪」ではない:私の考え

手数料が高いのは事実ですし、決して楽な選択ではありません。
しかし、ファクタリングがなければ、私の会社はとっくに倒産していたかもしれません。
従業員の生活を守ることも、できなかったでしょう。

ファクタリングは「悪」なのではなく、あくまで資金調達の一つの「選択肢」です。
重要なのは、正しい知識を持って、自社に合った優良な会社を選ぶこと。
これに尽きると、私は考えています。

初心者が陥りやすい失敗例と教訓

ここからは、私の恥ずかしい失敗談も包み隠さずお話しします。
あなたの会社が同じ轍を踏まないための、何よりの教訓になるはずです。

私が経験した“高すぎる手数料”業者との取引

初めてファクタリングを利用した時、私はとにかく焦っていました。
「どこでもいいから、早く現金を!」と。

そこで契約したのが、手数料15%の会社でした。
後から知ったことですが、これは2社間ファクタリングの相場の中でも、かなり高い部類に入ります。
さらに、契約書をよく見ると、手数料とは別に「出張査定費」「事務手数料」といった名目で、さらに数万円が引かれていました。

この経験から学んだのは、焦っている時ほど、冷静に複数の会社を比較検討すべきだということです。

「即日対応」に潜む落とし穴

「最短即日入金!」という言葉は、資金繰りに窮している経営者にとって、まさに天国からの声のように聞こえます。
しかし、これにも注意が必要です。

実際に「即日」で入金してもらうには、午前中の早い時間に申し込みを済ませ、書類を完璧に揃えておく必要があります。
少しでも手続きが遅れると、結局入金は翌営業日になってしまうケースがほとんどです。

「今日中に入金されるはずだったのに…」と当てが外れないよう、スケジュールには余裕を持つことが大切です。

私の経験談に加えて、より多くの選択肢を比較検討することも重要です。
以下の記事では、即日対応のファクタリング会社を比較し、失敗しないためのコツが非常に分かりやすくまとめられていたので、より多くの選択肢を検討したい方は参考にしてみると良いでしょう。

即日ファクタリングで【失敗しない5つのコツ】と最新25選も紹介

最初に確認すべきチェックポイント3選

私の失敗経験から、ファクタリング会社と話をする際に、最初に確認すべきポイントを3つにまとめました。

  1. 手数料以外に必要な費用はありますか?
    • 登記費用や印紙代、振込手数料など、最終的にいくら引かれるのかを必ず確認しましょう。
  2. 契約形態は「償還請求権なし」で間違いないですか?
    • この質問に口ごもるようなら、その会社は危険信号です。
  3. 契約書の控えは、必ずいただけますか?
    • 悪質な業者は、証拠が残ることを嫌い、契約書を渡さないことがあります。

この3つを最初に聞くだけでも、怪しい業者をある程度フィルタリングできるはずです。

妻に「それって大丈夫なの?」と言われた時の気づき

初めてファクタリングを利用した夜、元銀行員の妻に契約書を見せました。
彼女は開口一番、「手数料、高すぎない?それにこの条文、ちょっと私たちに不利じゃない?」と言いました。

正直、私は焦りから契約内容を隅々まで読んでいませんでした。
専門用語も多く、面倒に感じていたのです。

この時、妻に指摘されてハッとしました。
経営者である自分が内容を理解せずにハンコを押すことの恐ろしさを痛感したのです。
どんなに急いでいても、家族や信頼できる人に相談し、客観的な意見をもらうことは非常に重要だと学びました。

5社との取引で見えてきたファクタリング会社の違い

ここからは、私が実際に5社と取引する中で見えてきた「会社ごとの違い」について、より具体的に解説します。
会社選びのリアルな判断基準として、参考にしてください。

対応スピード:翌日入金の驚きと感動

初めて利用した会社は、申し込みから入金まで3日かかりました。
それでも銀行融資に比べれば圧倒的に早いのですが、次に利用した会社は、なんと午前中に申し込んで、翌日の午後には入金されたのです。

このスピード感には、本当に驚き、感動しました。
会社のウェブサイトに書かれている「最短即日」という言葉だけでなく、実際の利用者の口コミや、担当者のレスポンスの速さから、本当のスピード感を見極めることが重要です。

手数料の交渉は可能?成功と失敗の事例

「手数料は交渉できる」という話を聞いたことがありますか?
結論から言うと、これは本当ですが、条件によります。

私の成功事例は、あるファクタリング会社を2回、3回と継続して利用した時のことです。
担当者に「いつもお世話になっているので、もう少し手数料を勉強していただけませんか?」と正直にお願いしたところ、12%だった手数料を10%まで下げてもらうことができました。
ファクタリング会社にとっても、継続利用してくれる優良顧客は大切にしたい、ということなのでしょう。

逆に失敗したのは、初回取引の会社にいきなり「他社はもっと安いですよ」と、高圧的な態度で交渉してしまった時です。
当然、担当者の心証を悪くし、交渉は決裂しました。
信頼関係が何よりも大切だと痛感した出来事です。

営業担当者の質で結果が変わる理由

ファクタリングは、結局のところ「人と人との取引」です。
担当者の質は、結果を大きく左右します。

良い担当者の特徴は、

  • こちらの状況を親身にヒアリングしてくれる
  • 専門用語を分かりやすく説明してくれる
  • メリットだけでなく、デメリットも正直に話してくれる
  • レスポンスが早く、誠実

逆に、契約を急かしたり、質問に曖昧な答えしか返さなかったりする担当者は要注意です。
私は、「この人になら、会社の窮状を任せられる」と心から思える担当者とだけ、契約を結ぶようにしています。

サポート体制・アフターフォローの差

入金が終われば「はい、さようなら」という会社もあれば、その後も「社長、その後の資金繰りはいかがですか?」と気にかけてくれる会社もあります。

ある優良な会社の担当者は、私の会社の事業内容を深く理解しようと努めてくれ、決算書を見た上で「田中社長の会社なら、次はもっと低い手数料でご提案できますよ」と言ってくれました。
こうした一言が、孤独な経営者にとっては本当に心強いものです。

「安心して任せられる会社」と「もう二度と使いたくない会社」

【私がもう二度と使いたくないと思った会社の特徴】

  • 電話口の態度が横柄だった
  • 手数料の内訳を最後まで明確に示さなかった
  • 契約後、連絡が途絶えがちになった

結局のところ、会社選びはスペックや数字だけでは測れません。
その会社が、こちらの状況にどれだけ寄り添い、パートナーとして伴走しようとしてくれるか。
その姿勢が、全てに表れるのだと思います。

田中流・ファクタリング会社を見極める7つのポイント

これまでの経験を総括し、私がファクタリング会社を選ぶ際に必ずチェックしている「7つのポイント」を伝授します。
ぜひ、あなたの会社選びの参考にしてください。

  1. 手数料の内訳と計算方法を明示してくれるか
    最終的な手取り額がいくらになるのか、計算式を含めて書面で提示してくれる会社は信頼できます。
  2. 審査が丁寧で、ヒアリングがあるか
    会社の状況や売掛先との関係など、丁寧にヒアリングしてくれるのは、真剣に取引を考えてくれている証拠です。
  3. 担当者が質問に真摯に答えてくれるか
    どんなに些細な質問でも、面倒くさがらずに、目を見てしっかりと答えてくれる担当者を選びましょう。
  4. 実績・口コミ・紹介元の信頼性
    会社のウェブサイトだけでなく、第三者の口コミサイトなども確認します。また、経営者仲間からの紹介は、信頼性が高い情報源です。
  5. 契約書の内容が明快かつ納得できるか
    少しでも疑問に思う条文があれば、必ず質問してください。納得できるまで、絶対にサインしてはいけません。
  6. 単発利用でも誠実に対応してくれるか
    「継続利用しないと手数料は下げません」といった態度ではなく、一回一回の取引を大切にしてくれる会社を選びましょう。
  7. 「またお願いしたい」と思えるかどうか(直感も大事)
    最後は、ロジックだけではありません。経営者としてのあなたの直感が「この会社は信頼できる」と感じるかどうか。この感覚も、意外と当たるものですよ。

中小企業経営者に伝えたいこと

最後に、今まさに資金繰りで悩んでいる経営者のあなたに、私から伝えたいことがあります。

ファクタリングは最後の砦ではない

かつての私がそうだったように、「ファクタリングを使うのは、もう後がない会社だ」と思っていませんか?
それは大きな誤解です。

ファクタリングは、未来の売上を前倒しで手に入れる、攻めの財務戦略の一つです。
急な設備投資や、大きな受注に対応するための運転資金確保など、ビジネスチャンスを逃さないための有効な手段にもなり得ます。
決して、追い詰められた末の最終手段ではないのです。

「恥」や「不安」を乗り越えるために

資金繰りの悩みを、一人で抱え込んでいませんか?
従業員には言えない、家族にも心配をかけたくない。
その気持ち、痛いほど分かります。

しかし、一人で悩んでいても、状況は好転しません。
ファクタリング会社の担当者は、いわば資金調達のプロです。
これまでに何百、何千という会社の悩みを聞いてきています。

あなたの会社の状況を正直に話すことは、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、正確な情報を伝えることが、最適な解決策への一番の近道なのです。

経営者が孤独を乗り越えるための情報共有とつながり

私がこのブログを始めたのは、自分の経験が誰かの役に立てば、という思いと同時に、同じ境遇の経営者とつながりたいという気持ちがあったからです。

経営者は孤独です。
しかし、日本中には、あなたと同じように悩み、戦っている仲間がたくさんいます。
この記事が、あなたの孤独を少しでも和らげ、次の一歩を踏み出す勇気につながることを、心から願っています。

まとめ

今回は、私が5社との取引を通じて学んだ「失敗しないファクタリング会社の選び方」について、実体験を交えてお話ししました。

  • ファクタリングは借金ではなく、売掛金を早期現金化する手段
  • 「2社間」と「3社間」の違いを理解し、自社に合った方を選ぶ
  • 「償還請求権なし」が基本。ありの契約は絶対に避ける
  • 手数料だけでなく、担当者の質や会社の姿勢を見極めることが重要
  • 焦っている時こそ冷静に。複数の会社を比較し、契約書を熟読する

私が初めてファクタリングを利用した時、それは「苦渋の決断」でした。
しかし、数々の失敗と小さな成功を積み重ねた今、ファクタリングは私の会社にとって「経営を支える心強いパートナー」の一つになっています。

資金繰りの悩みは、出口のないトンネルのように感じるかもしれません。
しかし、正しい知識を身につけ、信頼できるパートナーを見つけることができれば、必ず光は見えてきます。

あなたにも、あなたの会社にとって、きっと最適な選択肢があるはずです。
諦めずに、前を向いて進んでいきましょう。応援しています。