『ファクトリング』と言い間違えた恥ずかしい初面談〜無知だった頃の思い出〜

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「あの、すみません…『ファクトリング』の件で伺いました」

今から数年前、私が初めてファクタリング会社の担当者と会った時の第一声です。

「…ファクタリング、ですね?」

そう苦笑いで返された時の、顔から火が出るような恥ずかしさと情けなさは、今でも忘れられません。

はじめまして。
埼玉県で小さな印刷会社を経営しております、田中健一と申します。

これは、資金繰りに追い詰められた私が、藁にもすがる思いでファクタリングという未知の世界に足を踏み入れた、ちょっと恥ずかしい、でもリアルな体験談です。

この記事は、当時の私と同じように、
「ファクタリングって何だかよく分からない…」
「今さら人には聞けないけど、資金繰りが本当に厳しい…」
と、一人で悩みを抱えている中小企業の経営者仲間に向けて書いています。

私の失敗談が、あなたの第一歩を踏み出すための、ささやかな勇気になれば幸いです。

あの日の初面談──「ファクトリング」と言ってしまった瞬間

緊張の面談、まさかの言い間違い

あれは忘れもしない、秋の肌寒い日の午後でした。
銀行からの追加融資を断られ、来月の従業員の給料をどうしようかと頭が真っ白になっていた頃。
経営コンサルタントから紹介されたのが「ファクタリング」でした。

正直、聞いたこともない言葉でした。
ネットで急いで調べたものの、専門用語ばかりで頭に入ってきません。
それでも、もうこれしか道はないと、紹介されたファクタリング会社のオフィスへ向かいました。

応接室に通され、目の前に座った人の良さそうな営業マンを前に、私の心臓は張り裂けそうでした。
そして冒頭の通り、緊張のあまり「ファクトリング」と言い間違えてしまったのです。

営業マンの苦笑と自分の赤面

「…ファクタリング、ですね?」

営業マンのその一言と、ほんの一瞬見えた苦笑い。
その瞬間、全身の血が顔に集まっていくのが分かりました。

「ああ、やってしまった…」
「こんな初歩的なことも知らない経営者だと思われただろうか…」

ただでさえ資金繰りのことで精神的に追い詰められていたのに、自分の無知さが情けなくて、消えてなくなりたい気持ちでいっぱいになりました。

「知らない」ことの怖さと恥ずかしさ

今思えば、笑い話かもしれません。
しかし、あの時の私にとっては、会社の未来がかかった崖っぷちの状況です。

「知らない」ということが、これほどまでに怖いものだとは思いませんでした。
足元を見られ、不利な条件を突きつけられるのではないか。
そんな疑心暗鬼に陥りながら、私は震える手でカバンから書類を取り出したのです。

無知だった自分と、向き合うことの大切さ

なぜ「ファクタリング」という言葉を知らなかったのか

今にして思えば、私がファクタリングを知らなかったのには理由があります。

  • 日々の業務に追われ、新しい資金調達の方法を学ぶ余裕がなかった。
  • 「借金以外で資金を作るなんて、何か裏があるはずだ」という古い固定観念があった。
  • 父親から会社を継いだ身として、「自分の代で新しいことに手を出して失敗できない」というプレッシャーがあった。

まさに、視野が狭くなっていたのです。
目の前の仕事と従業員の生活を守ることで、精一杯でした。

妻との会話と、自責の念

その夜、家に帰ってから妻に面談での失敗を打ち明けました。
元銀行員の妻は、呆れるでもなく、ただ静かに話を聞いてくれました。

「あなただけのせいじゃないよ。私ももっと早く気づいて、一緒に調べればよかった」

その言葉に救われると同時に、自分の不甲斐なさに涙が出そうになりました。
経営者は孤独だと言いますが、一番身近なパートナーにさえ、弱みを見せられずにいたのです。
経営者として、そして一家の主として、もっと学ぶべきだった。
その思いが、胸に重くのしかかりました。

ファクタリングとの付き合いが始まった日々

初めての利用:手数料15%の衝撃

言い間違いの恥ずかしさから始まったファクタリングですが、話はトントン拍子で進みました。
そして提示された手数料は「15%」。

正直、高いと思いました。
100万円の売掛金が、85万円になってしまうのです。
しかし、当時の私に選択肢はありませんでした。
従業員の給料日が、刻一刻と迫っていたからです。

資金繰りという現実と向き合う

手数料の高さに目眩がしそうでしたが、それ以上に「これで給料が払える」という安堵感が勝りました。
銀行融資のように、担保も保証人も必要なく、ただ「売掛金」という未来の入金予定を売るだけで現金が手に入る。
この仕組みは、当時の私にとって魔法のように思えました。

ファクタリングのメリット・デメリット(当時の私の実感)
メリットデメリット
とにかく入金が早い(翌日には振り込まれた)手数料が高い(利益が大きく削られる)
銀行に断られても利用できる依存すると危険な気がする
会社の信用情報に傷がつかないまだ世間的に知られていない不安感

まさに、時間と安心を「買う」という感覚でした。

「即日現金化」に救われた心と会社

申し込みの翌日、会社の通帳に現金が振り込まれているのを確認した時の気持ちは、一生忘れないでしょう。
それは単なるお金ではありません。
従業員の生活を守れたという安堵感、会社を続けられるという希望そのものでした。

恥ずかしい言い間違いから始まったファクタリングとの出会いは、間違いなく、私の会社を倒産の危機から救ってくれたのです。

恥から学び、知識に変えていった過程

手数料交渉、業者選定の工夫

最初の利用から数ヶ月後、少しだけ経営に余裕が出てきた私は、あの「手数料15%」について改めて調べることにしました。
すると、ファクタリングには様々な種類があり、手数料の相場も契約形態によって大きく違うことが分かってきたのです。

私が学んだこと

  1. 相見積もりを取る:1社だけの言い値で決めず、複数の会社から見積もりを取ることが重要。
  2. 3社間ファクタリングを検討する:取引先の協力が必要ですが、手数料を大幅に下げられる可能性がある。
  3. 信頼できる担当者を見つける:手数料だけでなく、親身に相談に乗ってくれるパートナーを探す。

これらの知識を武器に、私は手数料の交渉に臨み、最終的には10%まで下げてもらうことに成功しました。

悪徳業者との苦い経験と教訓

実は、手数料の勉強をしている過程で、一度だけ相場より極端に安い手数料を提示する業者に連絡してしまったことがあります。
しかし、契約の話を進めると、なんだかんだと理由をつけて追加費用を要求され、最終的には20%を超える法外な手数料になりそうでした。

この経験から、安すぎる話には裏があるということを痛感しました。
ファクタリング業界には、残念ながら資金繰りに困る経営者の弱みにつけ込む悪質な業者も存在します。
会社の情報や契約内容をしっかりと吟味する重要性を、身をもって学びました。

自ら調べ、学び続ける姿勢の大切さ

「ファクトリング」と言い間違えたあの日から、私は変わりました。
知らないことは恥ではない。
知らないままでいることが、経営者として最大のリスクなのだと気づいたのです。

それからは、資金調達に関する本を読み漁り、セミナーにも参加しました。
同じようにファクタリングを利用している経営者仲間と情報交換もするようになりました。
恥ずかしい失敗が、私を学びへと突き動かす原動力になったのです。

同じ失敗を繰り返さないために伝えたいこと

経営者として「無知」は武器にならない

この記事を読んでくださっているあなたは、きっと真面目で、誠実な経営者なのだと思います。
しかし、その真面目さゆえに、専門外のことや新しい情報を遠ざけてしまってはいませんか?

残念ながら、経営の世界では「知らなかった」では済まされないことが多々あります。
無知は、会社の存続を脅かすリスクに直結します。

専門用語を恐れず、まずは聞く・調べる

「ファクタリング」「キャッシュフロー」「債権譲渡」…
難しい言葉はたくさんあります。

でも、恐れる必要はありません。
分からなければ、私のように「ファクトリングって何ですか?」と、正直に聞けばいいのです。
今はインターネットで大抵のことは調べられます。

大切なのは、分からないことを放置しない、その真摯な姿勢です。

ブログで発信する理由と、読者への願い

私がこのブログで恥ずかしい失敗談まで包み隠さずお話しするのは、過去の私と同じように、一人で悩み、孤独を感じている経営者に「仲間がいるよ」と伝えたいからです。

資金繰りの悩みは、経験した者にしか分かりません。
夜も眠れなくなるほどの不安、従業員の顔が浮かんで胸が締め付けられる思い。
その気持ち、痛いほど分かります。

だからこそ、伝えたいのです。
あなたは、決して一人じゃありません。

まとめ

「ファクトリング」と言い間違えた、あの恥ずかしい初面談。
今となっては、私の経営者人生における大きな転機だったと断言できます。

この記事でお伝えしたかったことを、最後にまとめます。

  • 無知は恥だが、学びのチャンス:知らないことを恐れず、向き合うことで道は開ける。
  • 手数料は比較検討が必須:1社の言い値で決めず、相見積もりを取る勇気を持つ。
  • 悪徳業者に注意:安すぎる話や不透明な契約には、必ず裏がある。
  • 学び続ける姿勢が会社を守る:経営者こそ、常に新しい知識を吸収し続ける必要がある。

もしあなたが今、資金繰りで眠れない夜を過ごしているのなら、思い出してください。
埼玉県にも、同じように悩み、失敗し、それでも何とか前を向いている小さな印刷会社の社長がいます。

この記事が、あなたの心を少しでも軽くし、次の一歩を踏み出すきっかけになれたなら、これほど嬉しいことはありません。